昨日、長崎県にも梅雨入りが発表された。わが国は災害大国と言われている。本年1月1日には能登半島地震が発生し、激震災害として指定された地震としては、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震に次ぐ大規模地震であった。災害は何も地震だけではない。線状降水帯や台風によって河川の氾濫や土砂災害が発生し、災害救助法が適用される大規模豪雨災害も頻発している。
特にこの梅雨時期は要注意である。豪雨災害の発生の頻度がこの時期に集中するからである。ウェザーニュースを観る機会が増えるのもこの時期である。それだけ災害に対する備えに関心が高まっているとも言える。
しかし、果たして現実はどうだろうか。まだまだ災害を他人事だと思っていたり、危機感に乏しい人がいるのも事実である。これは会社経営者にも言える。中小企業庁は、中小企業に対し、BCP(事業継続計画)の普及促進を目指しているが、昨年の中小企業のBCPの策定率を見ると、15.3%と低調となっている。事前対策が進んでいない理由として、どのように計画を立てたらいいのかわからなかったり、作成する人手が不足したり、その知識がないといったことが挙げられている。
その理由はわからないこともないが、一番の問題はその裏に隠れているもの、つまり災害には遭わないと考えていることが真の理由ではないかと思っている。要するに危機意識の問題なのである。
災害現場で「まさか、うちで起こるとは」という被災者の声をよく耳にすることがあるが、災害列島に住む我々としては、安全神話などないということを肝に銘ずべきである。自然界は人間の都合には合わせない、いわば非常なものであることを考えておくべきであり、他人事だと思うなということである。それが危機意識を育むことにつながる。
自然災害に対して何が必要か。その基本は災害に備えておくということに尽きる。中小企業の経営者は、災害に備えるということが経営を守ることであることを肝に銘じ、行動することである。
災害が発生した際、被害を最小限に抑えるためには何が必要なのかを考え、それを社員と共有し、実行できるようにしておくこと、これが会社を守ることであり、それがBCPなのである。具体的には、設備投資などのハード面、安否確認や災害対応等のソフト面、被災した場合の業務の優先順位、早期復旧に必要なヒト、モノ、カネの計画を事前に立てておくことが必要なのである。