• 主に長崎県、佐賀県を中心に元刑事のキャリアを活かし行政書士&災害危機管理に取り組んでいます。

気をつけたいこと

「個人許可」と「法人許可」

 「個人」と「法人」のどちらで許可を取得したらいいか迷っている方もおられると思います。
 許可の申請手続だけを考えれば、「個人許可」の方が書類も少なく、申請手続も比較的容易だというメリットがあります。それに「法人許可」の場合、その前に会社設立手続をしなければならない場合もあります。

 ただ、「個人許可」は、その本人に与えられるものであるため、相続を除いて、店舗を譲渡する場合や営業主体を個人から法人に変更する場合は、新たな許可を得る必要があります。
 それに比べて、「法人許可」の場合は、代表者が死亡したり、経営を譲る場合であっても、その法人に与えられた許可であるため、代表者の変更をするだけで、新規の許可申請は必要ありません。

 それに「個人許可」の場合、許可を得て営業していたものの、許可取得後に近くに学校や病院などができたため、 新規の許可が取得できない場合があります。その点、「法人許可」であれば、役員などの変更があっても変更だけで済むため、許可は継続します。

 また、税金についても「個人事業主」と「法人」とで申告の違いがあります。個別的事情がいろいろあるため、どちらがいいか一概に言えませんが、ご自身で総合的に判断してどちらにメリットがあるかを考え、選択した方がいいと思います。

外国人の雇用

 外国人を雇用するに当たっては、あらかじめ、就労することが認められる在留資格者であるかを確認する必要があり、不法就労に当たる外国人を雇い入れることはできません。
 不法就労とは、

  • 不法滞在者や被退去強制者が働くケース
  • 入管から働く許可を受けずに(例:観光目的で入国した者)働くケース
  • 入管から認められた範囲を超えて(資格外)で働くケース 

があり、入管法は、不法就労した外国人ばかりではなく、不法就労させた事業主も処罰(不法就労助長罪)の対象としています。

 そして風営法では、この不法就労助長罪を犯した者を許可要件(人的要件)の欠格事由としています。従って、不法就労助長罪で罰せられた場合、風俗営業の許可が取り消される場合もあり、そうなると新たな許可が5年間取れなくなります。
 ご自身のお店で外国人を雇用される場合は、「在留カード」で在留資格をしっかりと確認していただきたいと思います。

 それに外国人のショーを見せるクラブ等では、外国人ダンサーたちを「興業」の在留資格でショーに出演させているのをよく見かけます。この在留資格は、歌手やダンサーとしての活動だけができるもので、風俗営業の接待行為はできません。
 客の隣に座ってお酌をしたり、一緒にカラオケを歌ったりすると、入管法違反(資格外活動)になってしまいますので、くれぐれもご注意ください。

「変更承認申請」と「変更届」

 許可取得後に変更が生じることがあると思いますが、その場合、事前に公安委員会に申請しなければならない「変更承認申請」と変更後でいい「変更届」の2種類があります。

 例えば、客室の位置や床面積を変更したり、間仕切りをする場合など、大規模修繕や模様替えをするときは、あらかじめ必要書類を添付して「変更承認申請書」を提出しなければなりません。「変更承認申請」には、改装前と改装後の図面を添付し、客室面積や設備の配置が改装前後でどのように異なるかを新旧対照表で説明する必要があります。食器棚の設置や家具の入れ替え、照明設備や音響設備の変更など、小規模の変更の場合は、変更があった日から1ヶ月以内(照明設備、音響設備の変更は10日以内)に必要書類を添付した「変更届」を提出しなければならないこととされています。

 ただし、割れたガラスを入れ替える、破れた壁紙を張り替える、電球が切れ、同じワット数の電球を付け替えること等は、軽微な変更となり、届出を要しない扱いとなっています。当事務所は、「変更承認申請」も承っています。

許可の相続

 風俗営業を営んでいた人が死亡した場合、相続人がその店を引き続き営業したいならば、新たな許可がいるのかという問題です。
 風営法では、相続人が被相続人が営んでいた風俗営業を引き続き営もうとするときは、被相続人の死亡後60日以内に公安員会に申請して承認を受けなければならないと規定されています。承認を受けた相続人は、被相続人に係る風俗営業者の地位を継承したことになり、承認を受けるだけ、新たな許可はいらないということです。ただ、60日以内ということですので、注意が必要です。

管理者

 風俗営業者は、業務を統括管理する者のうちから管理者1人を専任しなければなりません。(法第24条第1項)
 これは風俗営業を適正に運営・管理するための制度です。経営者自らが営業所に常駐して業務を行うなら、当然経営者自身が「管理者」として届け出ることができます。
 しかし、多角経営している場合には、経営者自身が1店舗に常駐することは不可能なため、信頼のおける店長・支配人などを「管理者」として専任することになります。

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