• 主に長崎県、佐賀県を中心に元刑事のキャリアを活かし行政書士&災害危機管理に取り組んでいます。

飾らない言葉

2年前に講演家としてデビューした。警察を定年退職してからの遅咲きのデビューとなる。警察での経験を眠らせたままにするのではなく、それを社会に還元していきたいという想いがデビューのきっかけである。

安全・安心な社会は誰もが望むところだろう。犯罪が益々凶悪化し、災害もいついかなる場所で起こるかわからない現状の中で、人々の危機意識、企業の危機管理など、犯罪抑止や災害から命を守る意識を高めることが求められている。

危機管理の要諦は平時の備えだと言える。すると、平時の学びが大切となるが、伝える側としては、机上の空論ではなく、犯罪や災害の最前線で仕事をしてきた経験を活かす、要するに生きた経験こそが危機管理を学ぶ上では必要なことだと考えている。聞いた言葉ではなく、経験した言葉に勝るものはない。

ところが、いざ講演になると、それを伝えることがなかなか難しいのも実情である。聴衆を惹きつける巧みな話術―講演家の優劣はまさにそこにあるだろう。生きた経験を伝えたくても、聴衆にどうやって伝えたらいいのか、どうやったら聴衆の心に響かせることができるのか、まさにそこが悩みの種だ。

その道はその道を究めた人に習う―あまたいる講演家の中で、人気講演家から学ぶことも一つだろう。さっそくユーチューブを検索したところ、一人の講演家の話術に釘付けになってしまった。その人の名は中村文昭氏。年間300回以上の講演をこなす超多忙な人物だ。ただ私が知らなかっただけで有名な講演家である。

氏の講演に釘付けになったのは、話の面白さもさることながら、人を惹きつけるその話し方だ。聴衆を笑わせ、感動させ、そして聴衆に生き方を考えさせる、その絶妙な語り口に引き込まれてしまった。

それに氏の魅力は飾らない言葉にもある。方言(三重弁)を使いながらの語り口には氏の人間味が表れている。そこにも人気講演家と言われる所以を垣間見たような気がする。飾った言葉では人の心を揺さぶることはできない。素の言葉・素直な気持ちで伝えることの大切さ、言いたいことは聴衆に感じてもらうことの大切さを改めて考えさせられた。

現在、ある業界に対する講和を定期的に行っている。馴れない標準語を駆使しながら話していたが、先日、長崎弁をところどころで使ってみると、何だか自分の想いが言葉に乗ったような気がした。目指す講演家像が見えてきたようだ。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です