土用の丑の日
福岡管区気象台は、7月13日、九州北部が梅雨明けしたとみられると発表しました。平年より6日、昨年より17日早いということです。
今年も全国各地で豪雨がもたらされました。静岡県熱海市では土石流災害が発生し、現在も懸命な捜索活動が続けられています。近年、梅雨時はわが国のどこかで甚大な豪雨災害が発生していたため、災害に対する関心と懸念は高まっていました。この梅雨明けで少しはほっとした面もあるのではないでしょうか。
一昨日は、県内各地で気温が上がり、松浦市では33.6度と今年最高を記録しました。本格的な夏到来です。これから益々気温が上昇していくでしょうから、夏バテしないよう栄養補給も考えなければなりません。
夏になると、「土用の丑の日」のキャッチコピーでスーパーの店頭に鰻が並びます。土用の丑の日と言えば夏のイメージがありますが、夏ばかりではないということです。
「土用」とは、立夏、立秋、立冬、立春直前の18日間の期間を指す言葉です。昔は、日にちを十二支(子、丑、寅、卯・・・)で数えていましたから、「土用の丑の日」とは、土用の期間に訪れる丑の日を指しています。要するに季節の変わり目を指しているのです。
そして、万葉集の中に夏痩せには鰻を食べると良いと詠った大伴家持の歌があるようです。ですから、昔から体調を崩しやすい夏には鰻を食べて栄養補給をしようという考えがあったということです。
実際、鰻にはビタミンAやビタミンB群など、疲労回復や食欲増進に効果的な成分が多く含まれていますから、夏バテ防止にはもってこいと言ったところでしょうか。
天然の鰻とスーパーの鰻
鰻と言えば思い出すことがあります。20数年前、私がある警察署に勤務していたときの話です。近くに大きな川があり、天然鰻が生息する川でした。
漁業権を取得し、仲間と一緒に鰻塚をつくったことがありました。鰻塚とは、鰻が川を下る秋頃に、川底に石を積み重ねて鰻をおびき寄せるものです。要するに鰻の習性を利用して獲捕するのです。
その日は、5~6人で鰻塚をつくり、夜の慰労会でその天然の鰻を食する予定でした。慰労会には鰻塚漁に参加できなかった10数名がやってくることになっていました。
これだけの人数の者が鰻を堪能するには、少なくとも7~8匹を捕獲しなければなりません。ところが、その日捕獲できたのはたったの1匹でした。これだけでは到底足りませんから、近くのスーパーで鰻を買い、夜の慰労会に出すことにしました。
たった1匹の天然の鰻も調理し、スーパーの鰻と一緒にテーブルに並べ、慰労会が始まりました。何も知らない者は、テーブル上の鰻は天然の鰻だと思い込んでいます。少しは後ろめたさもあったのですが、人の味覚を試すためにはいい機会だと思い、黙っておくことにしたのです。
そして何も知らない者がスーパーの鰻を食していきます。次から次に箸が進みます。そしてみんなが口を揃えて言いました。「さすが、天然の鰻はうまかばい!」