街中で見かけた光景
本日、車を運転していたとき、前方に福岡ナンバーの普通乗用車が走行していたのですが、そのリアボディーに貼られていたステッカーに思わず目がいってしまいした。
「他県ナンバーですが、本県居住者です」
このコロナ禍において、車の所有者が人の目を気にしていることが十分に伝わってきます。現在、各県が不要不急の外出の自粛、県をまたいでの移動の自粛等を要請しており、しかも福岡県の感染者数は本県(長崎県)のそれよりも圧倒的に多いですから、この車の所有者が先手を打って「地元に住んでいるんですよ」とアピールしたい気持ちはよくわかります。
街中では他県ナンバーを見かけますが、上記のようなステッカーを貼った車を見かけたのは初めてでしたので、思わず「クスッ」と笑ってしまいました。
長引くコロナ禍において、国民は自粛疲れをきたし、倦怠感や不安、不満は溜まっていく一方です。自粛警察という言葉が流行ったように、自粛していないと見られる人々に対する風当たりが強くなっていき、その一環として他県ナンバーも白い目で見られるようになったのだと推測されます。
恐らくこの車の所有者はまじめな方でしょう。そういう目で見られたくない、それに地元の方を安心させたいという気持ちがあったのだと思います。しかし、私としてはちょっと違う方向からこのステッカーについて考えてみました。
自動車の住所変更
自動車運送車両法第12条第1項には「自動車の所有者は、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置に変更があったときは、その事由があった日から15日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。」と規定されています。
要するに住所変更したら、その日から15日以内に住所(使用の本拠)を管轄する陸運支局に対して変更登録をしなければならないわけです。罰金50万円以下という罰則規定もあります。
上記ステッカーのように、既に県内に移住した事実があるならば、変更登録をして長崎ナンバー若しくは佐世保ナンバーにすれば、わざわざステッカーを貼る必要はないことになります。
自動車保管場所証明書(車庫証明)を警察署に申請した後、陸運支局に必要書類を添付して変更登録申請をすればいいだけです。ですから、敢えて福岡ナンバーにしておく理由があったのかと疑問に思ったのです。
変更登録しなかった場合は、自動車税の納税通知が届かない(車検証に記載された住所に送付)ケースが考えられるし、自賠責保険が下りないケースも考えられるし、罰金を科せられる可能性だってあります。
所有者の方が登録申請しない理由については知る由もありません。しかし、申請しないデメリットのことを考えると、ステッカーを貼って当座の不安をしのぐより、自動車の変更登録をする方がメリットが大きいということになります。
行政書士として自動車登録業務も仕事の一環として行っていますので、ついそんな見方をしてしまいました。