• 主に長崎県、佐賀県を中心に元刑事のキャリアを活かし行政書士&災害危機管理に取り組んでいます。

積雪の思い出

働き方改革

昨日から日本列島を寒波が襲い、大雪をもたらしました。山陰や北陸、東北地方では記録的な大雪に見舞われているようです。九州でも積雪があり、今朝起きると、ここ大村もあたり一面銀世界でした。

二人の娘はそれぞれ医療機関に勤めているのですが、リュックを背負って歩いて出勤していきました。現代はテレワークとかリモートワークといった働き方が推奨されていますが、このような積雪の日にはテレワーク等の働き方は打ってつけだと思います。

2016年に政府が「働き方改革」を掲げ、それに伴い社員が働きやすい制度を導入する企業が増えていきました。テレワークやリモートワークはその一環といえます。

それに新型コロナウイルスの感染拡大とも相まって、DX(デジタルインフォメーション)と呼ばれる、いわゆるデジタル技術を活用し、事業や組織の見直しや再構築を図っていく企業も急速に広がっています。まさに今は変革の時代だといえそうです。

しかし、テレワークやリモートワークができない職種があるのも事実です。特にこのコロナ禍で脚光を浴びている医療機関や社会福祉施設、流通やライフラインを支える人々はそうもいきません。公務員にしてもしかりです。働き方改革の波が押し寄せている中で、職場に赴き、陰で社会を支えている人たちが数多くいることも忘れてはなりません。

積雪での思い出

今から7年ほど前だったと思いますが、寒波が襲来し、県内で大雪になったことがありました。長崎市では確か17㎝の積雪であったと記憶しています。そのときは3日間ほど公共交通機関が全面的にストップしてしまいました。

事前の天気予報では、未明から降り出し、平地での積雪・凍結にも十分に注意するように繰り返し報道されていました。大雪の予想があり、朝の通勤にも支障が出ることは十分に予測されていたのです。

当時、私は高速シャトルバスで大村から長崎市内の職場に通勤していました。積雪によって高速シャトルバスや空港バス、JR大村線が運休になれば、通勤手段がなくなってしまいます。私は恐らく運休するだろうと予測を立て、前日の夕方に職場に向かい、そこに備えていた簡易ベッドを利用して宿泊することにしました。そしてその日から3日間、泊まり込みました。

同じような考えで、職場に宿泊したり、サウナに宿泊する同僚もたくさん見かけました。中には机の上に毛布をかけて寝る者もいました。

夜が明けると予想は当たっていました。九州では近年にない大雪となり、交通が麻痺してしまいました。そうなると職場に出勤できない職員が出てきました。人事委員会規則では、公共交通機関の事故等により、出勤することが著しく困難な場合には有給休暇扱いとなるようです。

この積雪で休暇扱いとなる職員がいた一方、職責を自覚して遠方から徒歩で通勤した職員もいました。特に驚嘆したのは、大村市の自宅を未明に出発し、9時間かけて長崎の職場まで歩いてきた強者がいたことです。

警察という仕事は、必要な時には身をかけてでも県民の生命・身体・財産を守らなければならない場合があります。それだけ職責に対する自覚が必要です。有事に備えておくことも必要なのです。そもそもテレワークなどの働き方がそぐわない職種ともいえます。

歩いてきた職員を見ると、年配者が数多くいました。気がかりだったのが、休暇扱いになった職員に若い者が多かったということです。決して若い者が職責を自覚していないと言っているわけではありません。時代の流れを感じたというのが率直な感想です。

今、働き方改革が進み、どんな組織にも働き方の新たな考え方が取り入れられるようになりました。少子化の進展に伴い、若者が多様で柔軟な働き方を自分で選択できるような社会になることはいわば必然的なことといえるでしょう。

世の中が目まぐるしく変化していく中で、旧態依然とした働き方や考え方しかしない組織ではもはやこれから先の時代に生き残れないのだと思います。「昔はこうあった。」という語り草は通じなくなります。

ただ、時代が変わろうとも、変えなければいけないものと、変えてはいけないものがあります。働き方は変えなければならないものになるのでしょうが、本質的なものを変えてはならないのです。警察を含め、公務員の本質は「奉仕の精神」です。この本質を職責として心に刻まなければなりません。

このコロナ禍の中で、医療機関や福祉施設などで働いているみなさんが日々奮闘努力しているのも職責の現れです。今、医療現場では働き方改革に逆行しているかもしれませんが、この人たちが寝食を忘れ、頑張っているからこそ医療現場が成り立っているのです。

7年前の大雪のとき、公共交通機関が止まろうが、雪の中を汗をかきながら歩いて出勤してきた年配の方と、電話で休みの連絡をしてきた若者の違いに時代の違いを感じずにはいられなかったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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