• 主に長崎県、佐賀県を中心に元刑事のキャリアを活かし行政書士&災害危機管理に取り組んでいます。

考えて動く

日中はまだ猛暑が続いているが、朝夕は秋の気配を感じるようになってきた。早朝のスポーツをする人にとっては心地よい時期だ。

私は9カ月ぶりに早朝ウォーキングを再開した。それまで休止していたのは、変形性膝関節症を患い、人口骨置換術(人工関節)を受けたからである。以前のわが身と比較すると、左足の筋肉はすっかり衰え、歩くスピードも極端に落ちてしまっており、致し方ないとは言え、寂しい限りである。

股関節は、体重を支える、歩く、走る、立ち上がる、しゃがむなど、人の変形自在な動きを可能にする重要な部位でもある。このような動きは、健康体の関節だからこそ自由にできるのであって、人工関節となるとそうはいかない。人工関節は可動域が限られているため、不用意な動きをすると脱臼の恐れがある。例えば、足の爪を切ったり、靴下を履くときなど、可動域を超えて不用意に股関節を曲げてしまうと脱臼することがあるのだ。

それ以外にも、足を曲げたり、伸ばしたり、広げたり、これまで特に意識せずに行ってきた体の動きに対し、意識を向けなければならなくなった。つまり、その動きをする前に股関節の可動域を考え、脱臼しないためにはどの範囲まで動かしていいのかを判断しなければならないということ。要するに、不用意な動きをするなということである。考える前に動けーこれはあれこれ悩むより、まずはやってみろということを推奨する言葉であるが、その逆なのだ。考えて動けということである。

いささか私事で長くなってしまったが、話題をがらりと変えて、現在、社会の耳目を集めている兵庫県・斎藤知事のパワハラ問題に関し、「考えて動く」という視点から捉えてみたい。

この問題は連日報道されているが、この問題の争点は、知事のパワハラやおねだりを告発した部下職員の文書内容を、根拠がない(誹謗中傷)として関係職員を懲戒処分したこと、それに保護されるべき告発者の犯人探しをしたこと、概ねこの2点だろう。この問題では自殺者まで出ている。百条委員会では公益通報者の告発内容は事実相当だと認められているようだ。そうであれば、犯人探しをした知事以下県幹部職員は通報者保護法違反に該当することにもなる。

この知事には部下を思う気持ちが微塵も感じられない。この知事は、現場で身を粉にして働く部下のことは一向に意に介さなかったのだろう。この問題の根幹はそこに尽きると思う。それが自己保身しか考えない者の成れの果てだ。上に立つ者は「信なくば立たず」である。

この知事に部下を思う気持ちがあったならば、「考えて動く」ことを実践していたのではないかとつい考えてしまう。この場合の「考えて動く」とは、どうすれば部下の力を引き出せるか、どうすれば組織が活性化するか、そのためにリーダーとしてどうあるべきか、それを考えて行動することであり、ましてやそれを阻害するような不用意な言動はしてはならないということである。

そういう知事であったならば、こういう問題は起きなかったはずである。失った信用はもう戻らない。亡くなった方の願いに応えるためにも、知事は早く今の地位を去るべきである。

 

 

 

 

 

 

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