• 主に長崎県、佐賀県を中心に元刑事のキャリアを活かし行政書士&災害危機管理に取り組んでいます。

人を呪わば穴二つ

闇バイトによる強盗事件が関東圏で後を絶たない。この闇バイト事件で最大の問題は、実行犯は逮捕されてはいるが、その指示役、さらには犯罪組織の上部で暗躍する反社の連中の逮捕や資金源のはく奪まで至っていないということ。

その理由は、捜査の手が及ばないように組織を徹底的に秘匿していところにある。恐らく闇バイト組織の実態はこうだろう。

実行犯は「高額即金」というような謳い文句に魅せられて応募する。すると犯罪組織に個人情報(身分証、家族情報、預貯金口座等)を提出させられる。その後、指示役から犯行の指示を受けることになるが、実行犯同士は面識もなく、素人同士で行き当たりばったりの犯行を行うから、現場に足(証拠)を残し、それを基に逮捕される。

ところが、指示役については面会もしていないから誰であるのかわからず、また実行犯同士もお互いをわからないため、逮捕された実行犯は、指示役や共犯者について供述しようにもできないという側面があり、従って組織の実態を解明できないということになってくる。

犯行手段についても、犯行ツールとして秘匿性が高いSNSのアプリを使うため、客観証拠による上部への突き上げも困難となってくる。

闇バイトを根絶するには、犯罪組織を牛耳る反社の逮捕と資金源のはく奪にかかってくるが、この二つが捜査の大きな壁となり、犯罪組織の解明に困難をきたし、それが闇バイトが後を絶たない要因になっているのだろう。

一方、実行犯の中には、例えば高齢者に対する強盗殺人を犯せば、自分の犯行が恐ろしくなり、組織を抜けたい者もいる。ところが、個人情報を組織に把握されているため、その想いを伝えたとしても、「おまえ、家族がどうなってもいいのか!」と脅され、組織を抜くたくても抜けられないという現実がある。要するに逮捕されるまでやめられないのだ。

犯罪組織にとって実行犯は単なる使い捨てである。逮捕されると、重い刑が待っている。甘い誘いに乗り、欲に目が眩んで犯罪を犯すと、取り返しのつかないものが待っているのだ。

「人を呪わば穴二つ」ー意味するところは、他人を呪って殺そうと墓穴を掘る者は、その呪いで自分も墓穴を掘らなければならなくなる。転じて、人に害を与えれば、結局自分も同じような目に遭うということ。

闇バイト応募者には20歳代、30歳代が多いという。世の中、人材不足である。汗水たらして働こうと思えば就職先はいくらでもある。楽して稼ごうと思っている若者には、世の中には落とし穴があることをよく考え、安易な行動を慎んでもうらいたい。それが闇バイト撲滅の一歩にも繋がるだろう。

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