遺言書とは、死が目の前に迫ったときに作成するものだと思っていませんか?
それに自分には関係ないものだと思っていませんか?
遺言書とは、テレビドラマに出てくるような莫大な資産を持った孤独な老資産家の話ではありません。ごく普通の人にとっても必要とされるものです。
人は生前、自分の意思で自由に財産を処分できますが、万が一のことがあった場合、遺された家族たちは故人の意思を確かめることができません。
故人の意思を最大限尊重したくても、その意思を確認するすべがなければどうしようもありません。
そのときに「遺言書」が遺されていたなら、遺された家族は故人の意思を確認することができ、その内容に沿った形での財産の分配が可能になります。
遺言書を作成することによって、遺された家族たちに無用の心配をかけることが避けられます。
生前に遺言書を作成しておくことは、決して自分には全然関係ないことでも縁起でもないことでもありません。
遺される家族のための思いやりとして、そして安心を贈るために、遺言書を作成しておくことをお勧めします。
遺言(「いごん」または「ゆいごん」)とは、遺言を作る人(遺言者)が、自分の死後の法律関係(財産、身分など)を一定の方式に従って定める最終的な意思表示のことです。
わかりやすく言うと、自分が死んだときに、「財産を誰々に遺す」とか、「実は隠し子がいた」とかいったことを、死ぬ前に書いて遺しておくことです。
注意しなければならないのは、遺言の方式は法律で定められているので、それに反する遺言は無効になってしまいます。
遺言は死ぬ前であれば、いつでも本人の意思で自由に変更(撤回)することができます。もちろん、変更(撤回)するときも、法律上の決まりを守らなければいけません。
遺言で定めることができる内容も法律で決まっていますので、それ以外の事柄について定めても何の効力もありません。
もちろん、「他人の財産を息子にあげる」などといったことは認められません。
遺言で定められるのは、自分が持っている権利の範囲内のみということです。
これは、財産を受ける側の意思に関わりなく贈ることができますので、「あげます」、「はい、もらいます」という無償の契約である「贈与」とは法律上区別されています。
遺言によって被相続人の意思が明確に示されていれば、相続のトラブルの多くを防ぐことができます。
遺言でできる事柄は法律で定められている一定の事項に限られます。
など
遺言者が、遺言内容の全文、日付、氏名を自分で書いた上で押印したものです。
問題点として、内容の正確さや保管上の問題が問われます。
遺言執行の際には、家庭裁判所で「検認手続」をしなければなりません。
遺言者が署名・押印した遺言書を封書にして公証人に提出したものです。
この場合は、自筆証書遺言と違い、本文は自筆でなくても構いません。
やはり、内容の正確さや検認手続の問題があります。
証人2人以上の立会いの下、遺言の内容を公証人に伝え、筆記してもらった上で、読み聞かせてもらい、その内容に間違いがないかを確認した上で署名・押印するものです。
検認手続が不要です。
この方式が一番お勧めです。
次のようなケースでは、遺言書を作成することを強くお勧めします。