• 主に長崎、佐賀県を中心に元刑事のキャリアを活かし行政書士&災害危機管理に取り組んでいます。

防災に空振りはつきもの

台風10号への備え

9月7日、台風10号は九州西側海上を北上し、対馬を通過して朝鮮半島に抜けていきました。この台風によって九州各地では死傷者が出ています。まずは犠牲になられた方に対してご冥福をお祈りするとともに、被災された方に対し、1日でも早い復旧をお祈り申し上げます。

しかし、皆さん感じられていると思いますが、予想した割には被災が少なくて済んだと思っているのではないでしょうか。

この台風が直近を通過した長崎県でも、割れたガラスで負傷したり、外壁が剥がれるなどの被災はあったものの、被害を抑えられたと思います。

というのは、この台風10号に関しては、気象庁が数日前から頻繁に記者会見を開き、これまでに類を見ない猛烈な台風になる恐れがあるから、厳重な警戒と早期の避難を何度となく呼びかけていました。

そのため、皆さんが危機感を募らせ、それが行動に現れました。私もこれまでの人生の中でこの台風ほど危機感を募らせたものはありませんでした。

大村市では、台風が接近する2日前になると、ホームセンターには人が溢れ、テープ類、懐中電灯、電池、ベニヤ板、ロープなど、必需品が瞬く間になくなってしまいました。それにスーパーでは、パンや水をはじめとする飲食品が瞬く間に売り切れとなるなど、これほど真剣に台風への備えをする光景を見たのは初めてでした。

市も防災無線で注意喚起を頻繁に行い、そして避難所も早めに開設して早期避難を呼びかけました。それに呼応するように市民も率先して避難し、満杯になる避難所が続出しました。

防災で怖いのは抑制的になること

台風10号は、沖縄県に近づくにつれ、勢力が増していき、そのため気象庁も「猛烈な勢力」に発達し、記録的な大雨、暴風(最大瞬間風速80m/s)、高波、高潮となる恐れがあると予報していました。

しかし、その後、北上するにつれ、徐々に勢力が弱まっていきましたが、それでも危機感は持ち続けていました。実際に長崎県野母崎では風速約49m/sを記録するなど、強い勢力を保ち続けていました。

この台風が通過した後、漏れ聞こえてきたのは「大したことなかったね。」という言葉でした。身構えた割には被害が少なかったという声です。

実は、防災で一番怖いのは抑制的になることです。気象庁があれだけ警戒を呼びかけた割には大したことがなかったという考えを持ち、次回から備えを怠ることなのです。

気象庁が、いろいろな条件を考慮しながら台風の勢力を見極め、それに向けての準備行動を喚起するのは当たり前のことなのに、結果だけを見て懐疑的となり、次回から防災に対して抑制的になること、これが防災上のネックなのです。

防災に空振りはつきもの

プロ野球の4番バッターでも空振りはします。ホームランを打てるのは、この空振りから学ぶものがあるからです。

防災も同じです。例えば、勢力が弱かった台風が近づくにつれて勢力が拡大し、その準備を怠ったために被災することだってあります。防災で気をつけなければならないことは、最悪を想定して準備をすることなのです。

ですから、防災に空振りはつきものです。「空振り」があるからこそ「見逃し」がないという考えに立つべきです。防災の根底にあるのは「備え」なのです。

 

 

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